それは・・・とある新年明けのランチタイムでの出来事。
その日、共通の知人の法要の件や、関係者のアフターフォローもあったので、私の方からランチにお誘いしたお二人と一緒でした。
女性の方は、亡くなった方の飲み会でご一緒して以来の再会だったので、お互いの近況を確認しあいながら、私の現在の仕事が「コンサルタント業務」ということも十分に理解なさった後のことです。
女性の口から弾丸のように出てきた話題が・・・ご自分が現在展開なさっている事業のお悩み事でした。
事業を長く支えてくれた周りの人たちが手のひらを返してきた?
伝統的なクラフトを現代のインテリアのイメージにリメイクし、販売していて4年目でぶつかった壁のお話でした。
生産業者さんの方で、大幅な製品への改良の提案があったとか。
その提案内容に対して、ご自分のデザインを曲げられずに話が決別したとのことでした。
オイオイオイオイ・・・と内心思っていたところへ、彼女から矢継ぎ早に質問がありました。
「私のデザインのキモを曲げろだなんて絶対に受け入れられない提案だと思いませんか?
業者の方にはお世話になったけれど、これだけは受け入れられないと断ったんです」
とのこと。
私は、彼女は何を私に示唆して欲しいのだろうか?と考えあぐねていましたが、私が
「売り上げが少なかったんじゃないの?
利益が出ないものに、もう、そうそう手間暇かけられないということじゃないんですか?」
とお答えしたところ、彼女は
「いや・・・売り上げや発注数は伸びてました。
今まで、他の型よりもひと手間ふた手間多いから、大変だろうとは思ってましたが、それでも頑張ってやってくださってたんです。
それがいきなり今回の提案で・・・何があったんだ!と思いました。
生産側の親方とも色々話したんですが、
今までのことは感謝はしているけど、親方の改良版にはできないとお答えしましたら、
それじゃ、自分で型を起こして自分で生産体制を作るしかないね・・・
と言われてしまったんです」
「型代なんて支払えるほど、まだまだ売り上げは無いですし、自分で生産体制を作るほど受注数は無いです。この製品は、儲けを考えずにイメージ優先で作ったからできたものですから」
とのこと。
ここまで聞いて、業者の方から今まで利益の出ない仕事でも黙って引き受けていたけれど、そろそろ「クレクレ星人」には付き合いきれないとサジを投げられたんだな・・・と、さらにはご自身で製品立ち上げ時の金銭的なリスクを背負う覚悟もないのだな・・・と察しました。
そこからの90分。
肝心な法要の話は全く出ずに、そしてもう一人いらっしゃった男性の存在を気にとめることもなく、延々と話し続けていました。
生産者の反逆(彼女にはそう映っているのでしょう)がよほど悔しかったらしく、相談と称して、延々と迷っていること、業者とのやりとり、そんな話が続きました。
これじゃ話が終わらないと判断して、いくつかのポイントだけコンサルティングをし、その日のランチを終えましたが・・・私も見事に「クレクレ星人」にエネルギーを奪われてしましました〜(笑)
他人からのヘルプに甘え、交換の概念がなければうまくいかなくなる
彼女の事業に対する真剣度と思い込みは伝わってきましたし、それが、起業の立ち上げを促進したことは見て取れます。
そして、その彼女のエネルギーに周囲の方が無償や無償に近いヘルプを差し出し、ビジネスがやっと立ち上がって売り上げがあがってきたところなのでしょう。ただし、まだまだ利益が出るまでも行かず、商売として成り立つまでの規模にも行っていないのだと察しましたが。
人はエネルギーの高い人やところに巻き込まれますからね。
でも、その立ち上げ時に人は、否応無しに「クレクレ星人」になりがちです。
「一生懸命なんです」
「お願いします」
「感謝しています」
こんな言葉で周囲の方へ接していたとは思います。
ですが・・・ビジネスは利益が出て初めて商売となり成立するもの。
上記の言葉の影で、
「利益が無くても、無理を承知でやってもらわないと困る」
「今までも助けてもらえたのだから、もっと助けてもらいたい」
「これからも、なんとかしてもらいたい」
という他人のヘルプに甘える、依存する。
それでいて、商売として成り立つ個数まで販売数を伸ばす覚悟もない。
ちゃんとしたエクスチェンジ(交換)の気持ちも配慮もなかったのではないか?と、彼女の態度と話の内容から察することができました。
何より私の顔を見るなりの、ご自分のビジネスのご相談ごとが飛び出したこと自体、私の時間とコンサルティングのノウハウを無償で奪ってますよね(笑)
別れた後に、彼女からは丁重なお礼の言葉と
コンサルティングにより迷いがなくなったこと
濃密な時間を過ごせたこと
そんな内容のメッセージが送られてきて、さらには「また次の機会を楽しみにしています」とのこと。
いや〜〜流石に最後の言葉には参りました〜(^_^;)
彼女とは友人でもなければ、受講生でもありませんし、クライアントでも身内でもありません。
ましてや、お会いするのは2回目です。
彼女には丁重に次の機会はない事、今日のあなたに対して無償のコンサルティングを差し出したのだという事をお返事し、さらに、そろそろ周囲の方の利益も考えないと問題は続きますよ・・・とだけご返信させていただきました。
そこまで書いてやっと、ご自身のランチタイムでの態度が私や同席した男性に対しても、失礼な行為だったことに気づかれたようです。
起業初期に助けてくれた方々にはいつか利益をもたらすアクションを提供しましょう
あなたの一生懸命さは解ります。でもね。ヘルプするのは一度だけ。
人は周囲の人をヘルプする(助ける)のは好きです。
だけど、そこに「交換」という概念がなければ長続きはしないのですよ。
起業初期は、周囲の方のヘルプで成り立つところが多々あります。
一人の力だけで立ち上げられるビジネスは、限られていますからね。
必ず無償に近い形で、協力してくださる友人やスタッフ、外注先が居るものです。
でも、そのヘルプには感謝の気持ちだけでなく、お相手に利益をもたらすアクションがなければ長続きはしないのです。
もし、いまだにあなたが「クレクレ星人」のままで、ご自分でリスクを背負う覚悟もないのだとしたら・・・
あなたが今ぶつかっている壁を超えるのは難しいでしょう。
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