成功する起業家が持っている24の資質・08『熱狂』

ニュースレターでお送りしている「成功する起業家が持っている24の資質」の8番目の資質、『熱狂』についてお送りいたします。

今回、こちらに書かせていただく24の資質は、私自身が38年の起業家として観てきた企業のトップや成功したクライアント達、そして、2012年から個人コンサルテーションをさせていただいた330名あまりのクライアントを観て分析したり、自分自身で経験したことからまとめた内容です。

あなたのマインドセットにお役に立てたら幸いです。

『熱狂』 とは何かを作り上げていく時や何かに夢中になった時のエネルギーが最大値になった状況

『熱狂』 とは・・・
何かを作り上げていく時や何かに夢中になった時のエネルギーが最大値になった状況を示します。

ものごとを推進する時に周囲の人を巻き込んでいく力は、リーダーの熱いエネルギー、『熱狂』度に左右されます。

あなたがもし何かを成し遂げたいのなら、周囲の人の協力や支援は絶対に必要!

その人たちに『熱狂』(エネルギー)をいかに伝えていけるかが成功の鍵となります。

先日、10年ぶりにビジネスのお話でお会いしたY氏は、
起業して22年目
従業員数30名、年商3億4千万の起業家
グルメバーガーの元祖と言われる実店舗を1軒
デリバリーセンターを2件経営
他サンドイッチハウスやイタリアンレストランへの出資
なども行なっている45才です。

成功している起業家は、会って同じテーブルに座って話すだけでお相手の持っているエネルギーに触れ、不思議と元気になりますが、まさしくY氏もその中の一人!

先日、お会いした時に
Y氏「現在はお店は全部スタッフに任せていて、僕は色んなことをやってるんですけどね。
つくづくと経営って水物だなあ〜と思うんですよ」

私「あ〜売り上げ的には、ここから5億までが厳しいところよね」

Y氏「そうなんですよ・・・売り上げを上げようとすると人を増やさなくっちゃいけないしね。そうすると利益幅が少なくなるしね。
それに、1回倒産しそうになってね(笑)
僕が全く店に関与しなくて、任せっきりになっちゃってたら、3店舗で1億8千万まで落ちちゃって。
こりゃ〜いけない!と思って、僕も現場に立って色々口出しながら、半年で今の売り上げまで戻しました」

私「そりゃ〜すごいわ!
Yさんのエネルギーをいかに現場の隅々まで浸透させるかで、売り上げも現場の活気も変わってくるでしょうからね。昔みたいに貴方が率先して、ハンバーガーを焼いてるわけじゃないでしょうけど」

と昔を思い出しながら切り出すと

Y氏「そうなんですよ・・・
だからそれ以来、週に1回は現場の人たち全員とガッツリと顔を合わせてミーティングすることにしたんです」

自分の理想に沿って、やりたいことにとことんエネルギーを向けるということ

今年45才になるY氏に初めて会ったのは、1998年20年前のアメリカでした。

その当時のY氏は、東京の文京地域に一軒目のハンバーガーショップをオープンして2年目でした。

半ズボンにベースボールキャプがよく似合うガッチリとした体に、真っ黒に日焼けした笑顔が眩しい青年で、何処から見ても経営者には見えない(笑)方でした。

でも、どんな人とも分け隔てなく接し、コミュニケーションの時の暖かさに、人柄の良さとスケールの大きさを感じました。

彼から「是非!店に来て色々アドバイスをして!」と言われ、早速アメリカから帰国後、Y氏のお店にお邪魔することにしました。

東京本郷の地下鉄の駅から徒歩5分ほど、駅前の商店街からは、ほど良く離れた大通りに面した店舗。

その当時は住宅街の入り口にある店舗で、どう考えても周辺の地元の人しか来ないような場所です。

そして、名前がファ◯ヤー◯ウス(笑)

そう〜消防署です。

ご本人は「熱い思いを伝える場所」という意味でつけたとか。

店舗は1階で、看板、店に入る階段の木のステップ、カウンターまで、全てY氏の手作りで、床はコンクリートのむき出し。

お店のイス、テーブルもアンティーク家具や、リサイクル品を並べたものでした。

少々規格外な店作りに度肝を抜かれたのを覚えています〜〜(笑)

当時の私は、イタリアンレストランチェーンのブランディングの仕事を手がけている真っ最中でしたので、店づくりにも少々ウンチクがありました。

1998年当時は、日本ではマクドナルドとモスバーガーのハンバーガー戦争の真っ最中でした。

マクドナルドに追いつけ追い越せで、モスバーガーが裏通り戦略と店のインテリアに観葉植物を使ったナチュラル戦略で、マクドナルドより高級路線を狙っての快進撃中でした。

それでも、ハンバーガーの価格は当時、
マクドナルドが、ドリンクとポテトのセットでも300円〜450円
モスバーガーでも、400円〜600円
の時代。

それに対して、Y氏のハンバーガーは、ハンバーガーとポテトとピクルスのプレートがドリンクは別で1000円弱〜1200円とかなりの高価格でした。

最初は、Y氏のお店が、果たして生き残っていけるのかどうか?とさすがに疑問に思いました。

そこでY氏に「この店は、どんなコンセプトで作ったの?」と聞いてみました。

それに対して

「初めて来てビックリした?
最初に来る人は、店のインテリアにまずビックリするんだよね。
中古の家具とアンティークだし、看板なんかも僕が作った手作りだしさ。
お客さんもメニューを見て、ハンバーガーの値段にビックリしてね。
でもね、運ばれてきたハンバーガーのボリュームと味に満足してくれるんだ!
一生懸命、この味にしてきたからね」

とのこと。

私は、目の前のマクドナルドの1.5倍はありそうなチーズバーガーを目にしながら、まずは食べてみました。

すると、肉汁が口の中にほとばしるハンバーグと野菜の新鮮さが味覚を刺激します。

そして、合わせたパンの口あたりとボリュームの良さ、そしてトロリととろけた中のチーズも只者ではないな〜と思いながら、思わず夢中になって完食したのです。

ボリュームも丁度よく満腹です〜(笑)

ハンバーガー世代では無い私の胃袋も一発でやられてしまいました❣️

そして、思わず聞いたのです

「この味 何処で習ってきたの?めちゃくちゃ美味しい〜!」

Y氏は、笑いなから

「珠美さん 美味しいでしょう!
僕さ、15才から4年間アメリカの学校に行ってたじゃない?
日本に帰って来てからさ、アメリカで食べたハンバーガーが食べたくて、日本のいろんなハンバーガー食べたんだけど、アメリカで食べたのと全然違うんだよ。
だから、自分で作ることにしたんだ。
最初は、何処から初めていいか解んなかったけどね。
ハンバーグの作り方をお袋に習って、肉の種類から色々試してね。
その後に、パン屋さんに、色々な種類のパンを作ってもらったんだけど、このハンバーグに合うパンにするまでに結構かかったよ。
周りの人に味もボリュームも含めて聞きまくってさ。
パン屋さんも途中で、根をあげたりしてさ。
なん軒か当たってやっと今のパンに落ち着いたんだ
あとはね、ソースとかパテとかコンビーフとかはね。
横須賀の米軍基地とか行って見てきて、そこに卸してる業者さんを探したりしてね。
結構、時間かかったけどね。
だから、店舗のインテリアとかイメージも、アメリカで食べに行ったお店のイメージが元なんだ。
全部、僕が木を切って組み立ててペンキも塗ってね。
中古の家具も直してね、アメリカをそのまんま持ってきたんだ」

私は、話を聞いていて、効率の良さや採算性度外視で、理想の味とイメージを追い求めた彼の情熱の熱さに感心しました。

「Yさん 途中でよく根をあげなかったわね。パン屋さんも仕入れ業者探しも大変じゃなかった?」

と聞くと・・・

彼はケロっとした顔で

「なんで大変なの?
やりたいと思った事が見つかったからね、楽しかったよ!
最初、お袋と始めた時は、此処はカフェだったんだ。
でもね。美味しいハンバーガーができたら、ハンバーガーのメニューが増えちゃってね。
今じゃ完全にハンバーガーショップになっちゃったよね。
でも今の方が、お店の特徴がハッキリするしてるでしょう」

そんな彼は、カウンター越しの大きな鉄板でハンバーグを楽しそうに焼きながら、答えていきます。

「焼くのもね、ちょっとコツがあるんだ!
この焼のコツが解るまで、色んなひとに試食してもらってさ。
今はこの焼きのコツをアルバイトに伝授するのが、僕の仕事かな。
味の伝授ってのが、結構大変なんだ!」

私は、彼の話を聞いていて、自分のやっていることに微塵の不安や疑問を持つことなく、色々な物を引き寄せていった彼のひるまない行動力に魅せられて行きました。

そして改めて、彼の店舗をもう一度見直しました。

手作り感満載のお店ながら、キチンと隅々までお掃除が行きとどいていて、コーナーにはセンスの良い小物や雑貨や雑誌もおいてあります。

ハレの日に行くスタイリッシュな店では無いけれど、自分の家のような居心地の良い空間になってます。

何よりY氏の暖かさが浸透しています。

ハンバーガーを食べる前までは、お店の存続そのものが厳しいと感じていた感覚は、Y氏のエネルギーとグルメなハンバーガーにノックアウトされ、完全に裏切られてしまいました。

こだわり抜いて走り続けるビジネスは周りも巻き込む

オープンして2年。

地元の学生を中心に若い若年層には支持されているようです。

そうしたら彼から
「業界紙とかを最近読み始めたけど、このくらいの席数(28席)の店を、月商600万にすると成功店舗って言われるらしいんだ。
いまは、まだまだだけと、どうしたらいいと思う?」
そんな質問が飛び出してきました

1998年当時です。

まだ、インターネットは一般の方には、普及しておらず、ホームページも大企業か、私のようなデザインの周辺に居る会社があるだけで、ぐるなびも創業して2年目でまだメジャーじゃ無い時代。

ましてやSNSもブログも無い時代です。

彼へのアドバイスとして
「プロモーションしか無いよね。チラシかな。手作りでもよいからそれを、駅周辺に時間帯を見て配るのと、タウン誌とかグルメ雑誌に載せてもらうのが早道かな」
そんな話をしたら、、、

彼は目をキラキラさせながら
「チラシは作ってあるから、明日から時間帯を色々試してみて配ってみるね。ありがとう〜!」
即座に返事が返って来ました。

そして完全に胃袋をやられた夜からさらに1年後、共通の友人に誘われて夕刻時にY氏のハンバーガーショップに再びお邪魔しました!

1年前と比べるとお店は、がぜん活気づいています。

私の姿を見ると、ハンバーガーを焼く鉄板前のカウンター席に案内された途端、報告したくてウズウズしていたのか、Y氏の弾丸トークが始まりました!

「珠美さん!久しぶりです〜!報告したいことが山ほどあったんだ。
チラシね。効いたよ!!
今は毎日、朝昼晩とバイト君と手分けして配ってる。
そのお陰か、ランチタイムは持ち帰りの人も居て、店に長い行列ができるんだ!!!
それとね。タウン誌に載ったんだよ2誌も!」

「Yさん、それは凄い!雑誌はどこかのコネを使ったの?」

と聞いたところ

「どんな雑誌があるのか知らないからさ。
まずは友達とかにどんな雑誌があるのか教えてもらってさ。片っ端から電話したんだ!
そしたら新刊の雑誌があって、運よくそこに載せてもらえたんだ!」

2000年を前に、ちょうど若者向けのグルメ雑誌が発刊のラッシュのころ。その波にうまく乗れたようでした。

「それとね・・・ぐるなびってのが来てね。
話を聞いて、載せてもらうことにしたよ!
珠美さん。ぐるなびって知ってるでしょう?」

Y氏の躍動感とワクワクが伝わって来ます!

「珠美さん。それとね。
つい最近なんだけどウチの店、どうも調べられてるのよ?
真っ白い外車がさ、店の前にドン!と停まって店の開口部とかメジャーで測ってさ。
写真とかも何枚も撮られたんだ。なんなんだろうね? アレ!」

その話を聞いて、私は彼の創った『グルメバーガー』の波が間も無く来るな・・・と直感したのです!

「Yさん。多分ね。どこかの外食チェーンがモデルケースとして見に来たんでしょう!
そのうちに、Yさんのお店にそっくりなチェーン店が出て来ちゃうかもよ!」(笑)

「真似されてもいいんだけどね・・・
店づくりだけ真似てもハンバーガーの味は真似できないでしょうしね・・・
それと、僕のやり方(店の運営の仕方)は解らないだろうからね」

Y氏のそんな話を聴きながら、前に彼から聞いた彼のやり方(店の運営の仕方や物事の運び方)をゆっくりと振り返っていました。

Y氏は、中学卒業とともにアメリカのスクールに留学してそこで4年間を過ごしたとか。

お母様との二人暮らし。決して優雅な留学という訳ではなく、ご両親の離婚問題などもあり、中学時代には成績が振るわず、お母様が苦心の末にやっと見つけたアメリカのスクールだったそうです。

そこでは、最初の1年は英語の勉強。中学時代に勉強は全くだったので苦労したとか。

全寮制で、朝起きてから夜寝るまで、日々の生活や勉強、身の周りのことまで(掃除も洗濯も)全て自分でやることを習慣づけられ、遊ぶ暇も無いほど毎日忙しかったそう。

徹底的に体を動かすことを教えられ、そこで大工仕事もインテリア作りも覚え、もちろん料理も覚えたそうです。

「寂しいなんて、感じている暇がなかったよ!(Y氏談)」

何か問題や疑問があれば、自分で納得がゆくまで調べたそうな。

先生には、勉強の仕方を教えてもらい、あとは必死で自分で勉強をしていったとか。

自主性と独自性(オリジナリティー)を大切にし、自身の尊厳を大事に育て行動するのが当たり前の日常を習慣づけていく教育。

「同級生と協力して毎日のことをやらないと終わらなかったからね・・・
だからスクール時代の友達とは今でも付き合ってる・・・」

そんなY氏の

15才から19才までの青年期の経験と身につけた習慣は、彼の周囲を次々と巻き込んで行きます。

目の前でさっきまでハンバーガーを焼いていたバイト君も、手が空くとすぐさまチラシを配りに、店を出て行きました。

Y氏が、そんなバイト君を見て
「バイトにはさ。最初に一日の動き方とやり方、挨拶の仕方を教えてね。
最初は一緒にやるんだけど、後は自主性に任せているんだ。
出来てなきゃ文句もいうしね。
それで、違うとかおかしいとかいう奴には『これがウチのやり方だから』って言って、徹底させるんだよ!」

あ〜〜解るな〜と思いながら、Y氏のリズムや動きに自然とつられて自ら動いてしまい、それが好結果となって跳ね返って来るとたまらなく嬉しいのだろうと思いました。

そして各ターミナルが、自分で決断することの気持ち良さをY氏が身を持って教えている。

それがY氏のイズム(流儀)なのだ。

この店は、とんでもない店になるかもしれない・・・そんなことを予測した晩となりました。

「熱狂」(エネルギー)を周囲の多くの人に分け与えてこそ、幸せな「成功」を手に入れることができる

あの晩から19年。

日本における『グルメバーガー』の元年は2000年と言われています。

その元年の4年も前からY氏は日本における『グルメバーガー』をオリジナルで開発し、店づくりをしていたのです。

予測した通り、2000年以降、彼の店作りと味を真似た沢山の「グルメバーガーショップ」が生まれ、存在しています。

でもハンバーガーのエリアに『グルメバーガー』という新しいジャンルを作りあげ、後輩を育てて行きながら、今では『グルメバーガーの元祖の店』という絶対的なポジションにいるY氏の店は、『アメリカ人が食べても美味しいと言われるハンバーガーショップ』と長年賞賛を受けています。

先日、Y氏にこれからの経営方針を聞いたところ、彼らしい答えが帰ってきました。

「昔からチェーン店とか、店を沢山作るとかには興味無いんだよね。
今の若い子は、仕事をする理由が無いんだよ。
親が居て、働かなくても何とかなるでしょう。だから夢も無いんだ!
そんな子たちに、店とは別に教育の場を創って関わっているけど、僕自身も、働くことが利益や売り上げを追求することだけじゃ無いって解ってきたしね。
だから、関わる人には成功することが「お金」だけじゃ無いってことを、心の平安も含めて幸せになる方法を、教えて行きたいんだ。
僕はネットとか全く不得意で、どうやって発信していいのかも解らないから。
珠美さん。また〜色々教えてね〜!珠美さんと話すと元気になるからさ・・・」

聞いてた私は、苦笑いをしながら、彼に巻き込まれることの心地よさを感じていました。

そう。
エネルギーを与えられる人と関わること。
エネルギーを交換し合えること。

これこそが、幸せな「成功」を手に入れる一番早い方法なんですよね。

「成功」の基準は人それぞれかもしれません。

インターネット上では、「成功している人」のノウハウや、手段を真似ることこそ「成功」の早道とうたっています。

誰かのコンテンツをパクることも自由にできちゃう時代ですから。

でも、あなたの尊厳はどこに行っちゃったのでしょうか?

あなた自身のオリジナリティーを信じる力と誰もやっていない事でも自分を信じてやり続ける、目標までたどり着く。

それには膨大な時間と手間暇がかかるかもしれません。

でも、それをやり遂げた時、あなたなりの幸せな「成功」への入り口にたどり着くのでは無いでしょうか。

そして、そのエネルギー、あなたの「熱狂」(エネルギー)が周囲の人の心を動かした時、初めて絶対的なポジションを得ることができるのです。

働けることは幸せなこと。

そしてあなたの「熱狂」(エネルギー)を周囲の多くの人に分け与えてこそ、さらに幸せな「成功」を手に入れることができるのですよ。

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