成功する起業家が持っている24の資質・09『チャンスにかける意欲』

ニュースレターでお送りしている「成功する起業家が持っている24の資質」の9番目の資質、『チャンスにかける意欲』についてお送りいたします。

今回、こちらに書かせていただく24の資質は、私自身が38年の起業家として観てきた企業のトップや成功したクライアント達、そして、2012年から個人コンサルテーションをさせていただいた330名あまりのクライアントを観て分析したり、自分自身で経験したことからまとめた内容です。

あなたのマインドセットにお役に立てたら幸いです。

失敗を恐れて目の前に現れた新たなチャンスを見逃すことこそ人生のロス

『チャンス』は、あなたにとってどのような時に訪れているでしょうか?

『チャンス』とは、あなたを異次元の世界や大きなターニングポイントを迎え入れようとする時に突然現れるものです。

でも人は、目の前に突如として現れた『チャンス』を素直に受け入れようとは思いません。

何故ならば、過去に同じような話や出来事が訪れた時に、調子に乗って大失敗した経験をしたり、大きな後悔をしたことがあるからです。

時として、挫折や大きな失敗はあなたの心の奥底にトラウマとして残り、その後の人生での大きな重荷になることもあると思います。

でも、そんな大後悔の裏側には、大きな学びもあったことを聡明なあなたはいずれ気がつきます。

失敗や間違いからも学ぶことができるということを理解しましょう。

そうすれば、目の前に現れた、新たなチャンスを見逃すことこそ人生のロスだと言うことに気がつくはずです。

私のお知り合いの中にはたくさんのチャンスをものにして成功していった方が大勢いらっしゃいますが、それと合わせて大失敗をしたという方がどうしても思い浮かびませんでした。

そこで観念して、今回は私自身のエピソードの中からお話しします。

海外での仕事で過去最高の売上を達成

1989年…今から33年前、私が30代始めの頃のことです。

1987年から始まったドイツミュンヘンでの日本食レストランのプロデュースの仕事が軌道に乗り、3年目。

2店舗目と3店舗目のプロデュースの売り上げで、アシスタントと私との二人で、個人事業主として初めて年商4000万円を達成したのです。

27才でフリーランスとして起業して、5年目を迎えていました。

業務内容としては、海外における日本食を文化として伝えていくことをコンセプトとした、レストランのインテリアイメージや外部発信、広告プロモーションを含めたブランディング業務を一手に引き受けていました。

デザインの業務は全て私のコンセプトイメージに統一され、現地でのインテリアデザイナーへの指示や現場管理なども引き受けていました。

さらに、現地での印刷会社への受発注、料理の盛り付けやら欧米人向けのメニュー構成まで頭を突っ込んでいましたので、ミュンヘンと日本とを行ったり来たりの日々を過ごしていました。

その当時は、インターネットもスカイプもzoomも無い時代でしたので、国際電話とFAXが最速の通信手段でした。

人脈も多く信頼の厚い起業家との出会い

海外店舗のプロジェクトも終わり、1989年の11月帰国後に出会ったのが当時20代の後半だったY氏でした。

Y氏は不動産業を営む年商2億の起業家。

彼の周囲には、同じ年代のサラリーマンから40代、50代の個人事業主などがたくさんいて、女性も男性も個人的な悩みから事業や会社の悩み事まで彼のところに相談に行っていました。

Y氏は20代後半の若さでしたが、誰に対しても暖かく接する術を心得ていたのと、何より彼と話すことで新たな気づきや元気をもらえる方でしたので、彼の周囲には何時も人だかりができていました。

私も、紹介されたその日から彼への信頼度はマックスに達していました。

何度目かの会食の時につい彼に弱音を吐きます。

「起業して5年目、ついこの間まではミュンヘンへの出店プロデュースで、あっちと日本を行ったり来たりしながら仕事をしてきました。
最初の計画通り、日本の店舗も含めて4店舗。いい仕事させてもらったんですけどね
このクライアントの仕事ももうしばらくはないだろうし、これはミュンヘンでの実績だから、ミュンヘンのクライアントと同じようなクライアントを日本で捕まえるのは、なかなか大変!
これからどうしようかしらと考え中なんです・・・」

そうするとY氏は
「髙橋さんの実績は、いづれ日本でも話題になると思いますよ。
まだ、出会いがないだけでね。時間の問題でしょう」

自分のビジネスの方向性に悩んでいた当時の私は、そんな慰めをいただきました。

ブランディング(当時はCI-コーポレートアイデンティティ)とレストランのプロデュースの仕事は、日本では大手の広告代理店や一部の有名建築家、CIプロデュースの先駆者である先輩の大物プロデューサーが手がけていました。

知名度は無く、大手企業をクライアントに持っておらず、大手の広告代理店へのパイプも持っていない私のような小さなデザイン会社には、手の届かない世界、夢物語のビジネスのエリアでした。

なんとか5年。ここまできたけれど、毎年安定的に仕事を発注してもらえるレギュラーのクライアントが居る訳でもない。

明日、仕事がなくなるかもしれないという不安を何時も抱えていました。

「実はミュンヘンのクライアントから、ミュンヘンで仕事をしないか?と誘われているのよ・・・
クライアント曰く、日本はまだまだ閉鎖的だし、こっちの日本人会の知り合いはいっぱいるし、髙橋さんの仕事ぶりはこっちでも評判になっているから紹介するよ。ミュンヘンでも十分仕事になるよって誘われているのよ・・・」

と話したところ、Y氏は

「ミュンヘンで仕事をするのも良いけどね。
そのクライアントが、どこまで髙橋さんの面倒を見てくれるかは未知数ですよね。
髙橋さんも、慣れ親しんだクライアントだから、つい頼りにしようとか、あてにしようとか思ってませんか?
実際の仕事が発生したときに行けば良いことで、今回みたいに、行ったり来たりすればよいことでしょう」

と、ズバリ私の依存心と甘さを指摘されたことで、この時に年下のY氏へ絶対的な信頼感を得たのです。

先行きが不安な自分に突如現れた大きなチャンス

そして翌年の1990年のお正月明けに、彼からある提案をされました。

「髙橋さん。僕も実は新しい事業をしようと考えていたんですよ。
今やっている不動産業も伸び盛りなので、新たにCafeの事業をできたらチェーン店の展開でやってみようかと思っているんです。
でも、飲食業は初めてなので髙橋さんに協力いただけたらと思っています。
できたら共同経営者としてご参加いただきたいのですが、どうでしょうか?」

このY氏からの提案を聞いて、内心飛び上がるほどの嬉しさとともにつゆほどの不安も持たず

「本当ですか?もちろん協力させていただきます!
私にとっても大きなチャンスです。
何よりYさんとご一緒にビジネスができるなんて光栄です」

この時の口約束が、その後の致命的な挫折と立ち直れないような大失敗に繋がるとは、その当時は思ってもみなかったのです。

何より私に「人」を見る目が無かったわけですが、むしろ私にとっては、天から降ってきた人生最大のチャンスだと思ったほどでした。

ほどなくY氏の「Cafeチェーンの事業化計画」の青写真が出来上がってきました。

年商5000万のcafeを100店舗2年で作る計画です。

今考えれば、相当無茶な計画ですが、当時は大真面目にY氏の経営力を盲信していたのです。

私のお役目は彼が展開するCafe全般の「ブランディングデザインとショップコンセプト、プロモーションなど」をプロデュースすることでした。

ロイヤリティー契約とし、毎月の売り上げ高の5%をギャラとしていただく契約です。

ただし、最初のコンセプト作成時に、1店舗目の分のロイヤリティー(初年度売り上げ予定分)は先払いしていただくことで同意していただき、契約書の青図は出来上がりました。

1990年当時、東京でのCafeチェーンというとドトールコーヒーのようなサラリーマンが行く安価なコーヒーショップか、1杯1000円代のコーヒーをアールヌーボー風のインテリアと欧米のカフェソーサーで出す高級店のコーヒーショップしか見当たりませんでした。

30代を中心とした女性層が好むような、ドトールよりも少し高めだけど気軽に使える価格でありながら、スタイリッシュなコーヒーショップはありませんでした。

ですので、ビジネスシーンでもプライベートなシーンでも使える、スタイリッシュモダンな開放的な空間を持ち、コーヒーと軽い食事も楽しめる、パリのCafeのような店づくりがコンセプトとなりました。

スターバックスが日本に上陸したのが1996年ですから、当時としては画期的な企画だったのでしょう。

このショップ(ブランド)コンセプトをY氏はとても喜んでくださり、1990年2月にプランがスタートしました。

当時の私にとっては、2年間分の会社の売り上げが保証されたような展開です。

Y氏について行くことに何の疑問も疑いも持ちませんでした。

人生最大のチャンスからの地獄への転落

事態が私の思惑と外れ、急展開し始めたのが2ケ月後の4月のことでした。

あてにしていたY氏のビジネスの足元が崩れ始めます。

3年で急成長したY氏の会社は多くのトラブルを抱えていました。

そして、Y氏の会社の資金繰りが急激に悪化し始め、6月には一気に倒産。

その煽りを受けたこととY氏に契約文書を偽造されたことが原因となり、このY氏とのCafeの1店舗目のインテリア施工代金の4000万を私が肩代わりして支払う事態となってしまいました。

国庫、銀行、カードローン、信販会社、消費者金融からの借り入れで資金をかき集め、支払いをした後には・・・

3人居たアシスタントスタッフは全員解雇
利子で膨れた5000万の借金の山
売り上げ予定金は0
クライアント0
という状況が待っていました。

人生最大のチャンスだと思っていたものが、6ケ月後には地獄へ突き落とされ、何時死んでもおかしく無いような事態へと追い込まれてしまったのです。

*この間の経緯は、電子書籍『海外ノマドワーカー300日・実践中!』の中で書かせていただきましたので、ご興味のある方はこちらからどうそ →  https://amzn.to/2H3V1K0 

『本気で稼ぐ』に向き合うとチャンスがやってくる

私は速攻で『本気で稼ぐ』必要に迫られました。

生半可な売上では、背負った5000万の借金を返して行くことが出来なかったからです。

この時、どん底の苦しみの中から自分の「女性としての甘え」「依存心」「ビジネスに対する無知」を痛感しました。

起業して5年間の自分を振り返った時に、もしかしから私はビジネスを「ファッションの一部」と捉えていたのかもしれないと思いました。

運よく良質なクライアントに巡り会い、4000万まで年商を伸ばすことが出来たときも、どこか「カッコイイ デザイン会社の女性経営者」を装おっていただけだったのかもしれません。

本気でビジネスをしたいわけではなく、自分のイメージする「私」を装い、演じながらチヤホヤされたい自分が居ただけ。

でも、その伸びた鼻をへし折られた後は、本気で「仕事」が欲しかったですし、「お金」が必要でした。

何より私のビジネスのステージをあげる「チャンス」を心の底から欲しました。

やっとビジネスと本気で向き合う『覚悟』が出来たのです。

どんなに嫌いなタイプの人であろうが、クライアントである限りは最後までお付き合いしました。

利益の少ない下請け仕事も引き受け、理不尽だと思うことが多々あったとしても、お声をかけていただける仕事はどんなに小さな金額でも全て引き受け、何年間も徹夜の日々が過ごしながら、

『この仕事を全力でやり抜けば、次のチャンスが絶対に来る!』

自分に言い聞かせながら、その当時の押しつぶされそうな苦しさをしのいで行きました。

そんな私の姿勢を見ていてくださった同業者や先輩デザイナー、過去のクライアントがポツポツとクライアントをご紹介してくださるようになりました。

その結果、その後のビジネス人生は多くのクライアントと出会い、多くの『チャンス』を手に入れることが出来たのです。

そう。私にとっては未知の世界や全く知らない業界の仕事、未経験の分野でも、思いつく限りのアイデアを絞り出しました。

いただいたオファーや手にした『チャンス』は、どれもチャレンジする価値のあるもの。

大きな挫折を経験した後には、もはや躊躇する理由もありませんし、恐怖もありません。

何より失敗したとしても得るものがあること、『今の自分』よりも一歩でも成長することができると実感していたからなのです。

自分に課せられた『お役目=ミッション』を知ることは、「稼ぐ目的」と合わせて長期的な成功を誘導する

27才で起業し、今年で37年目。おかげさまで通算売り上げで20億近くとなりました。

『稼ぐ目的』はビジネスを続けて行くことの原動力になります。

私もあの時に大きな挫折をしなければ、今、同じ仕事をし続けてこれたかどうかは自信がありません。

大きな挫折をしてから32年目に思うことは、もしかしたらあの出来事も神様からの大きなギフト、『大きなチャンス』だったかも知れないということ。

今では、そんな甘ちゃんな気持ちになったりもするのですよ笑。

私自身のお役目に気づくことも出来ましたのでネ。

仕事をする目的は人それぞれかもしれません。

一家の大黒柱がゆえに、無条件に稼がなくてはならない方。

ご主人が居て、生活は保証されながらもご自分でも独自の収入が欲しい方。

子供を抱えながら、ひとりで生活を支えて行く必要がある方。

ご主人と一緒に働きながら大きな夢を実現して行きたい方。

高価な宝石、ファッション、住宅、自由な時間、好きなところへの旅行など、やりたいことや物欲を満たしたいが為に稼ぎたい方。

いずれであっても「稼ぐ目的」がはっきりしている方は、今の情報化の時代の波を上手く使えば、「成功=高収入」を得ることは早いかと思います。

でも、人生は山あり谷ありが当たり前。

何時も一定のトレンドで過ごせるわけでは無いのですよ。

ひとときのブームで終わらない、一発で終わらない稼ぎ方をする、継続して稼いでいける力を保つ為には、目の前に現れたチャンスにかける気持ちを邪魔する「恐怖」を手放すこと。

真剣に仕事に向き合った後にはあなたの「使命=ミッション」が見えてくるでしょう。

自分に課せられた『お役目=ミッション』を知ることは、「稼ぐ目的」と合わせて長期的な成功を誘導するもっとも大事な部分なのです。

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