前回記事「ビジネス・ラウンジの存在する意味と利用価値について」で述べた「人間のグループを通じた生存本能。
そこから導き出されることはいくつかありますが、ここでは、ビジネスが集団形成による生存・存続と密接な関係性があることを証明するべく、ビジネスが他人からの理解を得ることがいかに重要であるかをお話したいと思います。
そもそもビジネスをスタートさせようと立ち上がる人は、実は比率的にはかなりの少数派です。
少数派である経営者が、多数派である人たちからマインド的な面で離脱をしながらも、実のところ多数派であるビジネスを起こさない人たちとの接点を保たなければ、生きてはいけないことを理解しなくてはなりません。
これはいわゆる「パブリック・リレーション」と呼ばれる、ブランディングやマーケティングを包含する重要な概念です。
ビジネスマインド形成の順番は「体・技・心」
さて、「心・技・体」という格言めいた言葉(?)があります。
字面の通りの順番で意味を取れば、「体は心から派生するものなのだ」という主張と捉えることができますが、最近の脳科学では心ありきではなく、体ありきである、つまり「体・技・心」の順番で強くなるのだ、ということが言われています。
なるほど、言われてみれば腑に落ちるところがあります。
まずは体を強くし、そこに技術を学ばせ、それが自信となって心を強くするんだ、ということですね。
昔の精神論に対するアンチテーゼです。
何かに自信を持ちたいと思うなら、順番として体→技→心になるわけで、この順番通りに強化すれば良いのだ、ということになります。
スポーツなら食事と睡眠を十分にとり、練習を積み重ねて記録を伸ばせば自然と自信はついてくるものです。
ビジネス・マインドも同じことです。
体に当たるものは…
それを入れるあなたの頭脳がビジネスを受け入れる箱としての受け入れを準備すること
技に当たるのは…
やろうとしているビジネスに対する理解とそれを規制する社会、法令の理解、そして会社運営一般に関する知識
だと思います。
そして、ビジネス・マインドのコアは、「そのビジネスをやる必然的な理由」に他なりません。
その普遍性が高ければ高いほど、あなたのビジネスマインドは、事業コンセプトとしての大衆への浸透力が強いものになります。
端的に言えば、「お金を儲けたい」というエゴむき出しのメッセージよりは、「世のため、人のためになる商品やサービスです」というメッセーの方が、受け取った人には受け入れやすいことは明らかですよね。
つまり、単に自己実現だけが事業目的であるよりも、「世のため、人のため」的な要素が強くなればなるほど、大衆はあなたのビジネスコンセプトを受け入れやすくなります。
ヒーローや歴史上の偉人・優秀なビジネスマンは未来を信じて疑わない
ビジネスラウンジでの大きなテーマである「ストーリー作り」。そのため、最近映画をよく見るようになりました。
映画には色々なパターンのストーリーがありますが、史実や伝記のものを見ていて、一つ気が付いたことがあります。
それは
「ヒーローは自分の思い描いた未来を信じて疑わない」
という共通の習性めいたものがある、ということです。
第二次大戦時、英国首相であったウィンストン・チャーチルは、学校の成績が大したものではなかったけれども、自分が将来首相の座に就くことは疑っていなかったそうです。
(映画「戦争と冒険」は1973年のチャーチルの自叙伝をもとに制作されたものです。)
良きにつけ悪しきにつけ、アドルフ・ヒトラー、毛沢東など、この信じて疑っていないという傾向について言えば、共通の「マインド」があることには間違いありません。
政治の世界だけではなく、野球のイチロー、ビジネス界の孫正義も同じ傾向を見て取れます。
この傾向は、裏を返せば「人の言うことを聞かない」ということにもつながるわけですが、この裏側が悪として顕在化するのは、あなたのリアリティが夢レベルであるときに起こるものであって、リアリティのレベルが上がれば上がるほど、それは発生しにくくなります。
自己実現のカギは、周りを教育すること
結局、どうすれば自分の夢や未来に疑いを持たなくなるのかというと、それは「リアリティのレベル 」 を限りないほど現実に近づけることなのだろうと思います。
あなたが語る夢や希望は、傍から見ると、特に家族の目から見ると危なっかしくて仕方ないように見える、というだけのことです。
リアリティが高いということは、あなたの夢や未来へのストーリーが「まさに実現するのが当たり前」というレベルでプレゼンテーションすることができているということなのです。
独立してビジネスを起こしたいとか、親兄弟が経験したことがない職に就こうとしたり、ビジネスで大きな金額の投資を行いたいなどのような 何か新しいことを始めようとしたり、大きく人生の舵を切ろうとしたりする時に、周囲の雑音に負けてしまうのは、単に周囲の人間が持つ現実世界に対する理解のリアリティが、あなたのリアリティと真っ向から衝突しているだけのことです。
経営をしたことが無い人に対して、これからあなたが経営者としてやっていこうと主張すれば、それは「経営」が両者ともに全く未経験のものであるがゆえに単なる絵空事になっているのです。
ならば、どうすれば自己実現できるのかというと方法はただ一つ、「周囲を教育すること」しかありません。
もっと端的に言えば、「向こう岸から自分の岸に移動させること」しかないのです。
具体的には「教育」です。
どういうことかというと、あなたが思い描いているゴールまでの道のりを、一つ一つ誰もが経験したであろう行動をベースにして伝えることで、頭の中で現実が動いているかのような感覚にしてあげることです。
(これでもかなりわかりにくいかもしれません。このプロセスはビジネスラウンジで実体験して頂こうとしていることです。)
ついでに申し上げれば、教育をするために準備するという行為は、周囲を説得するだけではなく、あなたのマーケティング、ブランディングに100%パワーを与えます。
学校教育って結局・・・
思い出して見て下さい。
学校のお勉強って、何らかの名詞の内容を調べたりそれを記憶することが殆どでしたね。
もちろん全ての教科がそうだとは申しませんが、漢字、九九、公式、歴史上のイベント、道具の名前等々、たとえ考えることや実践を主眼とした科目であっても、教科書の中に散りばめられた数多くの名詞を覚え、それを解説している文章を理解するところから学校のお勉強は始まっていました。
漠然としたことや現象などありとあらゆることに名前をつけるという事は昔から行われていた事です。
そうすることによって、概念的な事柄を言葉で整理することができる。
まあ、その効用は専門家ではなくても直感的に理解できるだろうと思います。
ところで、話が横道にそれてしまいますが、学校教育って何を目的としていたかと言うと、それは「富国強兵」だったんですね。
優秀な官僚を養成し、優れた技術を生み出す。
そして命令を忠実に実行する「兵隊」を作り上げることが目的でした。
でも、この教育システムが有効であったのは高度成長期まで。
だからこの教育システムが持っていた「ストーリー」は、学ぶものやテーマがあって初めて機能するものであり、新しく何かを作り出す人材を作るためのストーリーは持ち合わせていないのです。
多分、以前と比べて今がどういう時代になったのか?というと、それは昔に学ぶ、というよりも「クリエイション重視」になったということではないかと思います。
クリエイトされたものに対する評価って、客観的な価値基準がないですから、その評価は「どのくらいの人に受け入れられるか?」にかかっているわけです。
ピカソの絵が「素晴らしい作品である」と評価されたのは、やはり「その筋の人」からの評価があったわけですし、その人は「何故素晴らしいのか」を納得させるチカラを持った人であったはずです。
(絵画に造詣の深い方ならお分かりのはずです。)
ちょっと余談になりますが、こういう好意的価値判断を下してくれる人というのは、実は口コミの最大の先鋒なのです。
結局、こういうシンパを作ることがマーケティング力を向上させ、その優劣がクリエイトされたものに対する評価の基準だと言えると思うのです。
基礎研究よりも応用、ブラッシュアップ、改善が得意なだけでは、新たに経済を引っ張るアイテムを作り出す人材は作り出せません。
自分のビジネスのあらゆる事柄に名前をつけましょう!
上にも述べたように、教育というものは目的までのストーリーがあります。
そしてその大部分は教育対象の人たちが知らない名詞の詳細を知ってもらう事。
そして、その名詞がどのような体系を作り出しているのかを再構築させ、あなたが教育すべき相手に、あなたが設定した教育目的に沿うような行動を生み出すように仕向けることができます。
だから、あなたもこのコンセプトを自分のビジネスに応用すれば良いのです。
これはブランディングのプロセスそのものなのですが、このための入り口は、まず
「あなたのビジネスのあらゆる事柄に名前をつける」
ことです。
あなたが何かを製造しているなら、商品名はもちろん、製造途中で出来上がる半製品にも名前をつけるのです。
また独自のテクニックがあるならそれにも名前をつけるのです。
そして、その名前についての解説を作ります。
最後にそれをあいうえお順にならべ、辞書化します。
パソコンにあるワープロソフトで作っておけば、後日、ネットへの展開も楽になるでしょう。
詳しいことはビジネスラウンジでお話いたしますので、興味ある方は是非こちらのサイトをご覧ください。
ビジネス・ラウンジの詳細はこちら
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