ビジネス・ラウンジの存在する意味と利用価値について

2018年も駆け足で過ぎ去ろうとしていますが、ここで少しこれから先の時代がどういう方向に流れて行くのだろうか?ということについて考えて見たいと思います。先の時代を読むことは他よりも一歩先に出ることができ、それだけ自分のビジネスをブームさせることにもつながるからです。

 
そういう意味で少し、私の過去の苦い体験談をお話しすることから初めてみようと思います。
 

マッキントッシュがもたらしたもの

私がデザインビジネスを始めて一番最初に経験した大きなターニングポイントは、何と言ってもマッキントッシュとの出会いでした。
 
もう30年近くも前のことですが、友人のイラストレーターだった小林英子ちゃんがアメリカで買ったというマックを見に彼女の自宅を訪れ、操作方法を一つづつ教えてもらい、丸や四角を描いたデータをプリントアウトしながら、これまでとは全く異なるデザインプロセスが体を揺さぶる感覚を覚えたのです。
 
 
一通りの操作を終え、彼女にマックについていくつかの質問をした後、一緒に行ったパートナーが「マックの凄いところは何だ?」と質問してきたので、咄嗟に「真円が描けるところよ」と答えたのを覚えています。
 
 
こう言うとそれのどこが凄いんだ?と思われる方が大勢いらっしゃると思いますが、このマッキントッシュが登場するまでは、グラフィックデザイナーという職種は本当に職人の世界で、コンパスで真円を描くことや、直線を引くにしても数種類の太さの線を自在に操ることができるまでにそれなりの時間をかけた修行が必要だったのです。
 
 
もし「?」と思われたら、やって見てください。コンパスで円を描くとき、最初の出だしの線の太さと円を閉じる時の線の太さが一致していないと思いますし、線が一定の太さになっていないと思います。
 
 
鉛筆に定規を当てて単に直線をひくにしても、最初の一本目はともかく、何百本も線をひく内に太さが一定にならず、長さもミリ単位でバラバラなものになっているでしょう。
 
マッキントッシュの登場は、グラフィックデザイナーにとって、こういうディテールの技を習得する時間を時空の遥か彼方へと吹き飛ばしてくれたのです。
 
 
当時マッキントッシュを一式揃えると軽く100万円超えするが当たり前で、フォトショップなどで作業を行おうとすれば、1メガ1万円が相場のメモリーを数百メガまで拡張しなくてはならず、当時のグラフィックデザイナーにとって「投資」という言葉に初めて接することになったわけです。
 
 
私たちにとっては、月額約3万円ほどのリース料を5年かけて支払うという「投資」でした。このマックのパワーを実感し、確実に戦力化していく段階で2台目、3台目と台数が増えるごとに投資額が確実に増えて行きました。
 
今では一か月分のリース料であの当時の1000倍以上の性能を持ったパソコンが買えるわけですから、技術の進歩というものの恐ろしさをひしひしと感じます。
 
 
実際、当時としては私たちは業界平均よりもマックの導入は早い方だったと思います。何人かの同業者が私たちの事務所を訪れてきてはマック導入のメリットについての話を聞いたり、いくつかのプリントアウトされた作品を見たりなどして、後々の導入の参考にした人も多くいらっしゃいました。
 
 
「マックを使っている!」、ということで新規のお客様もつくようになり、前途は洋々のように思えました。
 
 
大御所と言われていた先生格のデザイナーは、それまでのデザイン手法とマックを使ったデザインのハザマで立ち往生をしていた方も数多くいらっしゃいました。しかし、そういう古のデザイン手法よりもマックというデザイン手法の珍しさに、お客さんの嗜好もどんどんマック寄りになって、マック導入に足踏みをしていたデザイナーのクライアント数は確実に減っていったと思います。
 
 
こういう流れになって順調に仕事も増え、私たちも一応は「導入は成功」と思ったのでしたが、一つ大きな思考上のミスを犯していました。
 
 
それは、「デザインの道具が変わっただけ」ということと、デザインワークの低価格化です。特に低価格化の流れは導入時には全く読めなかった現象でした。
 
 
マックが業界全体に普及すれば、結局他者との差別化が困難になり、手で制作を行っていた頃と同じ競争条件に晒されるということ、また、マックは手作業に比べてスキルの差が出にくく、また作業効率の良いマックでのデザインワークは、制作価格の競合をもたらし、そして10年、20年という時のスパンでは、結局デザイナーに求められる創造性、肉体労働的な側面には変化がなく、自分たちが進化しなくてはやがて台頭してくる若い世代に仕事を奪われてしまう、ということに気がつくのが遅かったのです。
 
 
あれから30年経過して、デザイン業界を鳥瞰してみると、デザインワークの99%以上はコンピューターにシフトしており、このプラットホームの上での創造性の勝負が繰り広げられています。
 
 
あの当時、デザイナーにとってはマッキントッシュがコンピューターの代名詞だったわけですが、今やウィンドウズとのクロスプラットホーム環境を構築しながら、ムービーなどの編集をする人や会社も増え、この先どのように業界は変化して行くのだろうか?と日々考え中です。YouTuberはもはや編集を自分でやっていますしね。
 
 
デザイン業界に起こった変化は他にもたくさんありますが、やはり大きく時代の流れを作った、という観点から見ると、コンピューター化という現象は業界にとって最大のものだったと思います。
 

過去に学んだところで・・・

さて、こうした経験をしたからと言って、この先の変化に必ずしも対応できると限りません。それは今現在で発生している日々の環境の変化が将来どのような影響を与えるのかを評価することがとても難しいからです
 
 
つまり、あの当時の私たちは、マックを導入してからの10年近くの間、どこかの時点で時代の流れを掴みきれずにいたわけです。
 
 
日々の業務に奔走している間に何となく感じる環境の変化、それは取れる仕事を取り損なったり、全く新しい作品の傾向が飛び出してきて、クライアントがその流れに興味を持ち始めたりして、気がついたら顧客が離れてしまっていた、というような感覚です。
 
 
それはマックが登場した時の大御所先生たちが感じた感覚と同じものだったはずです。
 
 
「そんなものが無くても・・・自分はやっていける」、「コンピューターでデザイン?そんなものは邪道だ!」とか・・・
 
 
つまり、日常の中に見出した変化が、将来どのような大きな変化として現れるのかを正しく予測することなどできないのです。
 
日々、様々な情報が目や耳を通じて入ってきます。
 
特にクライアント筋から聞こえてくる情報。
 
明らかにクライアントの関心がそちらの方向に流れているのに、自分の主義主張がそれを受け入れない、もしくはそういうトレンドの作品は自分は作れない、参入しても勝算がない、というような状況ですね。(表現が抽象的なので、ピンと来ないかもしれませんが。)
 
 
明らかに時代に置いてきぼりを食ってしまった。そういう感覚です。
 
 
気がついた時には遅かった、では済まされない問題です。
 
 
日常的に起こっている小さな変化が積み重なり、ある日その積み重ねが大きなうねりとなる、これが「トレンド」であり、その恐ろしさとは、日常的な変化に何処かで否定的になっている自分に気がつかないこと、これが大きなうねりとなって現れたトレンドの恐ろしさなのです。
 

ビジネスラウンジの隠れたメリット

さて、私が主宰しているビジネスラウンジはすでにビジネスオーナーになっている方々の集まりです。
 
ここでは私がこれまで習得してきた経営術を中心に様々な情報をお伝えするのが趣旨ですが、実はもっと大切な目的があります。
 
それは、あなたのビジネスに関する日々の変化が将来のどのようなトレンドにつながるのかをこのグループメンバーで様々な角度からの検討できる、という点です。
 
 
実際、経営者は日常的な業務で忙殺され、ビジネスのゴールをいつの間にか見失ってしまったり、同じ業界の経営者としかお付き合いがないなどの状況の方がとても多いと思います。
 
 
そこでこのビジネスラウンジを作り、異なる業界の方との交流を通して、自分の業界に起こっている日常的な変化が将来的に自分の身にどう降りかかってくるのか?を、違う業界の経営者の方の目や感覚を通じて情報としてそういう意見や考え方に接する機会を作ることです。
 
 
作家の方が銀座や赤坂などのクラブ通いをする理由は、普段自分の書斎に閉じこもって創作活動をしている中、そういうクラブのママやホステス、またはそこで知り合った人たちとの交流を通じて、自分の作品に対する評価、見方、感じたことを実際に聞くことによって、新たな創造の幅を広げることが目的です。
 
 
ラウンジに参加して頂いている方は主に熟女世代の方(?)が多いのですが、もちろん様々なかたが集まっていただくことには吝かではございません。むしろその方が色々な立場からの意見や、考え方が聞けて良いと思います。
 
 

ダイナミックスという概念

ビジネスとは直接的な関係が無いのですが、ビジネスラウンジのベネフィットを伝える上で大切な概念があります。それは「ダイナミックス」です。
 
 
厳密には「生存への衝動」と呼ばれるものですが、ここでは主に個人とグループの二つのダイナミックスについて述べてみようと思います。
 
 
そもそも人間が生きることについての究極の目的というものはなく、単に「生存する」ということが生存の目的である、と唱えた人がいます。そしてその生存を達成するためには8つのチャンネルがある、というのです。それは個人として、家族として、グループとして、国家として、種として、・・・というように集団の規模が大きくなって行くのですが、最後に精神的存在として存続する、というものがあります。
 
 
これを解説する事はここでは無理があるので割愛します。(というより、私もこの理論に触れたときは直感的にはわかるのですが、細かい事になるとまるでピンと来ないものでしたので。)
 
 
ここではビジネスという大前提があるので、もっと直接的な理解を得るにふさわしいものを取り上げたいと思います。
 
 
それは最近見つけたものですが、脳科学者の中野信子さんの一連のYouTube動画です。彼女はとても面白いことを言っていて、実はそれがこのグループダイナミックスを説明するものだと気がついたのです。
 
 
それはたまたま見た「いじめ」についての彼女の動画チャンネルにあったのですが、それは「人間は本能的にグループを作って生存して行こうとする生き物である」ということを言ってて、「いじめ」はそのグループにとっての懲罰として機能している、ということを聞いた時でした。
 
 
「なるほど、それじゃ、いじめが無くならないわけだ」とも思った次第ですが、その時ふと、集客は見方を変えればグループを作る行為に他ならないのでは?」と思い当たったことが集客に関する私のパラダイムシフトの始まりです。
 
 
これがきっかけで、これまでの数多の疑問に火をつけてしまい、思考上の収拾をつけるのにかなりの時間を要してしまったのですが、これは追い追いお話しして行こうと思います。
 
 
実際、ビジネスでは集客は永遠の課題です。ブランディングはそのための重要な考え方であり、戦略思考なのですが、ビジネスを初めて日が浅いうちは、集客を「手順」として理解しようとする方が殆どだと思います。
 
 
ところが中野信子さんの説を聞いていると、集客=グループを通じた生存、ということに行き着くこととなり、集客が単なる手順では無いことがよくわかってきます。
 
つまり、集めたお客さんと自分(自分の会社)がワンランク上のグループを構築することによって、より強い生存力を持つ、ということです。
 
 
ちょっと分かりにくいかもしれません。
 
 
つまり、申し上げたいこととは、最近SNSを賑わせている集客セミナーの根底にある「集客」の概念が「手順」としての集客として紹介されているのですが、実はそれだけではあなたが思い描く集客成果を達成する事は不可能である、ということです
 
 
ここに集客におけるブランディングの存在意義を見出すことができます。
 
 
ブランドという言葉の原義を見て見ましょう。
 
 
もともと「焼印を押す」ということが出発点であり、そこから「心に深く刻む」というニュアンスが生まれました。
 
 
ブランディングはその「心に深く刻む」ことを主目的としている事は明らかです。
 
 
そしてこの「心に深く刻む」ことがどのようにグループとして生存することに繋がるのか?という、次の疑問につながります。
 

印象が薄い=生命力が低い

人間にとっての最小グループ単位は夫婦から始まる家族です。

最初の男女の結合が夫婦というグループを構成し、そこから子供が生まれるという流れは誰もが知っていることです。人間に限らず動植物の世界では雌雄の結合には面白いことに「アピール」という行動が必ず伴っており、この競争に勝ち残った個体が夫婦という一つ上のグループランクでの生存を許されることになります。

 
テレビでは様々なこの手の番組があるのでご覧になってください。どの動植物でもオスとメスのアピール形態が紹介されています。

アピール合戦で勝利する、このことは後々の生存に勝利することに直接つながることに異存がある方はいないでしょう。相手から気に入られ交尾をおこない、子孫を残すこと、そのためにはアピールする相手に「強い印象」すなわちインパクトを与えなくてはなりません。

これが子孫を残すことにつながるわけですから、=生命力が強いということに一応の納得をしていただけると思います。

 

取引相手を掴むことも「アピール」が必要不可欠

人間が生きるために必要な物資を調達する、他から何かを得るには自分が何かを提供しなくてはならない、つまり交換です。交換を日常的に行うことでビジネスが存続し続け、そこから得られる個人の給料が家族を支える生活物資を得るための収入を得ることは誰もが知っています。
 
 
さて、その収入ですが、その大部分は「お金」という黙っていても交換してもらえるもので手にします。
スーパーに行って自分が欲しいものを買い物カートに入れ、レジに行ってお金を支払えば生活物資との交換は完了します。
 
 
ところが、ビジネスでは自分がスーパーの立場にならなくてはいけません。自分がスーパーの立場に立って、自分の商品をお客さんに選んでもらわなくてはいけないのです。
 
 
この思考ができる人とできない人がいる。自分はできると思っていても、傍から見るとそれほどでもない人もいますしね。
 
 
こういう「思い込み」の罠から抜け出すにしても、私のビジネスラウンジでお伝えしている、「統計手法」はとても役に立ちます。
 
 

では「何をアピール」すべきなのか?

マーケティングの専門書などを読み漁っても、それほど成果が出ないのには理由があります。その理由は、「商品」や「価値」というものに偏り過ぎているからです。
 
 
確かに商品価値を伝えるということはとても重要ですが、実は「営業」を行う舞台装置であるお店や売り子、システムなど、商売にかかわるすべての項目に「アピール性」を重視したデザインが施されていなくてはならないからです。
 
 
売り子はブスよりもかわいい子の方が良いわけですし、お店も小汚いよりはきれいな方が良いに決まっています。雑然としているよりは整然としている方が印象が良いわけです。
 
 
もちろんこれが一律的にあてはまるわけではありません。ドンキのように敢えて雑然性を意識した店づくりで成功している業態もありますし、ブスはブスなりの演出もある。美人だからといって売れる売り子になれるわけではありませんしね。
 
 
まあ、そこはプロなりの視点で弱点を逆手に取るようなことをするわけで、それが私たちの仕事でもあったのです。
 
 
一番重要なのは「アピールするあなた自身」がどのくらいインパクトを持って伝えたい情報を伝えられるのか?ということです。
 
 
そういう意味でビジネスラウンジはあなた自身を造り直す場としても活用していただけます。
 
 

価値を伝えること、それが生命力を持ったインパクトを相手に与えることです

 
伝わらなければ、結合が起きません。それゆえ生命力が低いのです。
 
 
言い換えれば、アピール力は生命力そのものと言えます。
 
 
その結果、交換が成立するわけですが、そこまでなら「手順」としての集客になってしまいます。
 
 
人間の生存には継続的な取引が必要であり、その源泉が「ブランディング」であるとも言えます。
 
 
ここまで書いてくると、結構広範囲の疑問を呼び起こしてしまう、と言った意味がご理解いただけるでしょう。
 
ですからここでは、集客はブランディングと密接な関係があり、ブランディングによって発信されるインパルス、つまり衝撃波は強ければ強いほど届けた相手との結合力を生み出し、それが結果としてグループを構成していくものだ、という図をとどめておいて下さい。
 

本題に立ち返って

ここまで書いた内容から、色々な疑問が湧いてくると思います。結論の方向性は出ているのですが、それを述べるには、いくつかの大きなテーマについて解説する必要があると感じています。
 
 
中心はダイナミクスですが、特にグループを通じた生存から派生するいくつかの項目、特にレバレッジ、ネーミング、コミュニケーションなどについて、次回以降述べて行きます。
 
 
記事では解消できない部分もあるかと思いますが、その際は是非ビジネスラウンジにご参加して頂ければ、より詳しいお話をお届けできます。
 
ブランディングコンサルタント
髙橋珠美

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