Kindleで著作をダウンロードした時は、著者のことは存じ上げなかった。
新しい働き方、自由な働き方を実践、模索する中で参考にしたい、という思いと、269円と言う廉価な価格に思わずポチっとした、というのが正直な所だった。
もし読み始めて、面白くなくても地下鉄の電車賃と思えば損はしないだろうと。そういう著者には大変失礼なお気楽なノリで読み始めたら最後、息をつく間もなく一気に読み切ってしまった。
まさに著者のビジネスパーソンとしての壮絶とも言える半生を追体験させられる内容だった。
よくある「ネットでノマド指南」の書籍と一線を画するのは、彼女が実際の(ネットではない)ビジネスの経験の中で、数多くのチャレンジや困難に出会い、そして時に傷を負い立ち直れない一歩手前まで行きながら、自分を鼓舞し(鏡の前で自分を鼓舞するシーンはこちらまで応援してしまった)。そしてとにかく前進しようとする意志を伴った行動に感嘆し、共感することで圧倒的な「説得力」を持つからだ。
そういう経験をして来た彼女が、あるきっかけによって自身がノマドワーカー化する過程を追体験することで、読者側は(夢に踏み出す為に)すっと自然に背中を押される気分になれるだろう。
さらに彼女はこう書く「やり方さえ知っていれば、誰しもが現実に「夢」を手に入れる事が出来るという事なのです。私のような大きなつまずきを経験することなく、人生を楽ししめる事ができる」。
誤解を恐れずに言うならば、この本はスーパーウーマンの輝かしい経歴(自慢)を綴った本ではない。
ただ懸命に自分が出来る事は何か、その為にはどういう行動の選択をすべきなのか、という信念で泥臭く、自分らしく生きて来た女性の半生なのだ。
そして今の時代だったら、個人個人が自分のスキルや魅力によって自分らしい働き方が可能なんだよ、と示唆してくれているのだ。
ボクは思いがけずこの本と著者に出会えたことに感謝したい。
もし、自分の人生を自分らしく生きたい、そしてもっと自分らしく自由に働きたい(人の為に貢献する前提でね、というのは著者の隠れたメッセージだと思うが)と思っている人がいるならば、お薦めしたい内容だと思います。