成功している起業家が持っている24の資質・12『説得力』

ニュースレターでお送りしている「成功する起業家が持っている24の資質」の12番目の資質、『説得力』についてお送りいたします。

今回、こちらに書かせていただく24の資質は、私自身が38年の起業家として観てきた企業のトップや成功したクライアント達、そして、2012年から個人コンサルテーションをさせていただいた330名あまりのクライアントを観て分析したり、自分自身で経験したことからまとめた内容です。

あなたのマインドセットにお役に立てたら幸いです。

みなさんは『説得力』と言うと、どういうイメージを持ちますか?

例えば、ビジネス上でのプレゼンテーションが上手い人、交渉ごとで何時もあの人だと上手くいく人など、日常の中で色々思い浮かべる方がいらっしゃるのではないかと思います。

そんな私も、大学時代にお会いした『ある人物』を思い出します。

今回はその方とその周りの方にお聞きした体験談を通して感じたことについて、お話します。

『南の島ブーム』とヒット曲『時○よ止まれ』が生まれたときのエピソード

デザイン系の大学に通っていた頃、1979年の事です。

卒業間際に、アルバイトで青山の雑誌の編集プロダクションに通っていました。

ポパイという週刊誌でしたので、雑誌で見かける有名スタイリストやらカメラマンやらと、それこそ色々な方が出入りします。

ある日、ビートルズの写真集やPARCOの写真などを手掛け、当時の日本のメディアのトップシーンを走ってらっしゃったカメラマンA氏が顔をだしました。

晩年には、日曜日のサンデーモーニングにもコメンテーターとしてご出演なさっていましたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

私よりも20才年上で、当時は40代の一番脂の乗り切った時期だったかと思います。

偶然にも、事務所の諸先輩とご一緒に、仕事終わりに飲みに行く話になりました。

A氏は軽いノリで『皆んな呼んじゃおうか〜!』と言い出し、『今夜はD通のプロデューサーとも飲む約束してるから・・』との嬉しいお誘いでした。

嬉しいことに、私も末席にいれていただくことになり、懐石風の居酒屋で6人ほどのお席で、お話を聴くには超ラッキーな人数でした。

話題は1978年、つまりその年の前年に出版され、当時一大ブームとなって売れに売れていた南の島の写真集の制作時のエピソードがメインに。

この写真集は、日本に『南の島ブーム』を巻き起こし、合わせて発表した矢沢○吉さんの南の島をテーマにしたヒット曲『時○よ止まれ』のダブル制作の現場のエピソードです。

上司やスタッフ、もちろん私も是が非にでも聞きたいお話だったので、身を乗り出します。

A氏
『事の発端はね、こいつ(D通のプロデューサー)がさ。
日本人が行った事ない南の島があって、天国みたいな所がある・・って言い出したんだよ〜!』

そんな話聞いちゃったら、興味がわくじゃない。
こいつは、スポンサーを口説いてロケハン(事前調査)で行ってきたらしくってネ(笑)』

D通のプロデューサー氏は笑いながら・・・
『あの時は、スポンサー口説くに苦労したよな〜』
と豪快に笑い飛ばします。

A氏
『俺たちも、なんとか行きたいわけよ。
でも金がないじゃない。飛行機だって直行便があるわけじゃないしね。
だから、何とかみんなが行けるように企画を考え出したのよ』

D通
『最初は、ただのCMの撮影地として候補が上がってね。
でも、費用がかかりすぎるんでボツになりかけてたんだ。
ハワイでいいじゃんって空気がクライアント側にも流れてね』

私たちはますます聞き耳を立てます。

A氏
『そん時、俺とエーチャンも居たのよ。
もう〜二人ともすっかり行く気になっちゃてたし。
それで、俺の写真とエーチャンの曲とでさ。
ダブルで行けて、クライアントが気持ちよく予算が出せるように
こいつに何とか知恵を出せよ〜!って迫ったのよ』

D通のプロデューサー氏が笑いながら
『それまではね、写真はスライドで撮って、動画もCM用に撮っておいて。
曲はね、日本で吹き替えるのが当たり前だったからね。
ましてやギャラの高いエーチャンに、それもロック系のアーティストだからね。
曲をお願いするのは畑違いだったからね・・・だから・・・』

私たちが催促します。
『だから・・・?』

D通のプロデューサー氏が続けます
『だから・・・
CMだけのためにロケを組むんじゃなくて、Aさんには帰国後、写真集を発表してもらって。
エーチャンには、あっちに行って1曲書いてもらって、ヒットを狙うか〜!!!
っていう話になったんだわ(笑)
そっからが大変よ。
そうなると、写真集のために出版社を口説かなきゃなんないし、エーチャンのスケジュールを押さえるのと、レコード会社へのネゴね・・・。
それまでは、1社だけのスポンサーで何かを作るのが当たり前だったけど、最低、3社の共同キャンペーンになるじゃない?
だけど・・・予算は3倍になるしね。
あとは、エーチャンに南の島のラブソングをどう書いてもらうかだったわけ』

『結構、苦労したのよ。
Aさんもエーチャンもすっかり行く気になっちゃてるし、Aさんは、ヘリを飛ばす気でいるしね(空からの撮影)。
そうなると予算も半端じゃないしね。
それで、旅行会社とかね。航空会社にも声をかけて協力キャンペーンにしたわけ』

A氏が隣で豪快に笑っています。
『だってね・・・こういう飲み屋で出た話よ。
だけど、こいう場所で遊びながら飲みながら、結構良いアイデアも出るのよ。
みんな行って観たいじゃない。天国の島・・・ってさ』

D通のプロデューサー氏が
『海外旅行者も増えてたしね。
でも、何社もの共同キャンペーンなんて今までには前例はないから。
AさんのCM用の動画や写真集のビジュアルとエーチャンの曲とで合わせて、『天国の島』を一大ブームにしましょう。
それによる海外旅行者の増大とスポンサー各社の経済効果は計り知れません!
みたいな事言っちゃってね(爆笑)』

企画を実現させるために必要だったのは「説得する力」

上司が、D通のプロデューサー氏に
『いあ、その通りになりましたよね。でも、よく説得できましたね』
と聞くと

D通のプロデューサー氏は
『僕がロケハンで撮った写真じゃAさんが弱いって言うんで、Aさんと先に、もう一度ロケハンしたんだ。
その時の写真が素晴らしくってね。
ヘリも短時間だけど飛ばして、島を上空から撮って、それが効いたよね。
まずはビジュアルで攻めたのよ。
スポンサーも皆んな知らないわけだから。
なぜ、天国の島って呼ばれてるのかも、その写真を観たら解るし、スポンサーが惚れたよね』

上司が、D通のプロデューサー氏に
『当たらなかったらどうしよう?って思いませんでしたか?』
と聞くと

D通のプロデューサー氏は
『もちろんリスクはありますよ。
仕事が決まる前に、会社の金どんだけ使ったか(笑)
この企画が潰れたら、俺、、クビにはならなくても左遷かな・・ってね。
でもね。これは当たるな・・っていう確かな確信があったんだ。
A氏もエーチャンもノリノリでしょう?
アーティストは、時に時代の先読みをするし、その感覚には何度となく驚かされてきたからね。
何より僕自身が『天国の島』を日本の人に知ってもらいたかったんだ。
もちろん僕自身も何度も行きたかったしね(爆笑)』

私が
『問題ってなかったんですか?』
と聞いたところ

A氏が
『エーチャンてさ、それまではロックでバリバリだったじゃない。
だからスポンサーが難局を示したのよ。
本当にエーチャンで大丈夫か?ってね(笑)』

D通のプロデューサー氏が
『だから逆手に取って、スポンサーには
A氏もエーチャンも天国の島に連れて行くんです。
アーチストは『場』の雰囲気を十分に味わうことで、新しいクリエーションが生まれます。
ってね・・・冷や汗もんだったけど
行ったら、あっちではみんな呑んだくれてたけどね(大爆笑)』

A氏が
『俺はへり乗って撮ってたよ〜(笑)』

D通のプロデューサー氏が
『エーチャンも帰国してから、すごい良い曲書いてくれたじゃない。
あれは名曲よ。いい仕事してくれました・・・』

最後に上司が
『プレゼンの時の説得力には定評があるD通のプロデューサーさんも、たじろぐ時があるんですね』
と振ると

D通のプロデューサー氏は
『そりゃあありますよ。
僕だって一介のサラリーマン。
自由にはやらせてもらってるけど、いつ何時、左遷だのクビだのってね。
でもね。Aさんとかと付き合っててリスクを恐れないことが新しいクリエーションを生み出す力になるなって。
それにはまず、自分を信じること、仲間を信じること。
信じられるにはどれだけ自分を追いこめられるかかな。
追いこめるとは、問題とか課題とかにどれだけ向き合えて、必死に考えて行動できるかかな。
追い込むとね。自然と答えとか良いアイデアが浮かぶものよ。
反対者がいればいるほど成功するなって、、最近では思えるようになってますね。
これもA氏に感化されたのかな・・・』

A氏は隣で笑っています。

『行動は嘘つかないのよ。
何かやろうとアイデアが出たら、動く。
動けば良かろう悪かろうと反応があるじゃない。
それは少しでも可能性があるってこと。
自由な発想とかアイデアは、形にして味わうことが幸せなわけ。
到着地点が見えたらそれを仲間に共有することで、仲間が共感してくれて、同じゴールが見えるのよ・・・』

『説得力』は目指す未来に自信をもち、イメージと熱を具体的に伝えられるかどうかにかかっている

この夜に偶然聞くことができた宝のようなエピソードは、私にとって、仕事を重ね、年齢を重ねるごとに、ますます生き生きとよみがえり、輝きを放っています。

説得力は、立ち振る舞いやコミュニケーションの形だけを整えるだけでは、大きくはならないのです。

それはあなたが目指している未来やビジョンに対して、あなたがどれだけの自信を持っているかに、かかっています。

そして、信じているビジョンのイメージと熱をより具体的に伝えられるかにも、かかっているのです。

仲間に同じビジョンを共有してもらいたいのなら、まずは自分を信じましょう。

信じるためには、自分をどれだけ追い込めるのかです。

信じた行動を取りましょう。

仲間に共感してもらうには、あなたの信じる度合い、見えてるビジョンの信念の量や熱量によって違ってくるのですよ。

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