成功する起業家が持っている24の資質・05『誠実さ』

ニュースレターでお送りしている「成功する起業家が持っている24の資質」の5番目の資質、『誠実さ』についてお送りいたします。

今回、こちらに書かせていただく24の資質は、私自身が38年の起業家として観てきた企業のトップや成功したクライアント達、そして、2012年から個人コンサルテーションをさせていただいた330名あまりのクライアントを観て分析したり、自分自身で経験したことからまとめた内容です。

あなたのマインドセットにお役に立てたら幸いです。

『誠実さ』 を大切にしていくことが長期的に成功させる秘訣になる

『誠実さ』 とは、ビジネスの有様、人間関係、お金に対して、全てのエリアにおいて影響を及ぼします。

この『誠実さ』を日々大切にしていくことが、長期的にビジネスを成功させる秘訣となります。

人は間違っていること、打算や悪意、抑圧、などの俗にいうグレーなエリアには敏感です。

特に顕在意識で真っ当だと納得していても、潜在意識場ではグレーなエリアに関してはNOという答えを持っています。

この嘘や偽り・・・
ここの部分に『誠実さ』を持っていなければ、人間性の部分でもビジネスの部分でも、いずれ大きなしっぺ返しを受けることになります。

今日のお話のターミナル、M氏に初めてお会いしたのは30代の半ば・・・今から25年ほど前の事です。

25年ほど前の対照的な二人との出会い

先輩のデザイナーからの紹介を受けたN◯Kの関連子会社へ、受託した企画案をプリントアウトし、納品に伺った日曜日の昼下がり(当時は土日も祝日もビジネスワークの日々を過ごしていました)のことでした。

担当のE氏はまだいらっしゃっていないようで、デスクも無人。

ましてや休日の日曜日。

通常は80人の営業が在籍しているオフィスも、シーンと静まり返っていましたが、奥の小部屋から人の気配がし、ヒソヒソと話声が聞こえます。

もしや・・・
デスクでは無く、奥の部屋にいらっしゃるのか?
E氏の他に誰か日曜出勤をしている人が居るのか?
そう思って、間仕切りの無い奥の部屋を覗いてみると…

モデルかタレントだと一目でわかる女性が下半身をピッタリとつけながら、派手な白シャツとブランドバックを小脇に抱えた男性になにやらおねだりしている様子でした。

どうやら、午前中に行われた何かのオーディションに出たタレントの女性が、決定権のあるプロデューサーに媚を売っている場面に遭遇してしまったようです・・・^^;

まずい場面に遭遇してしまった〜〜!と後ずさりをしながら、先ほどの大部屋のE氏のデスクの所まで戻ると数分後、担当のE氏がやっと現れてホッと胸を撫でおろしました。

その時は、さすがTVの業界、プロデューサーというのは派手な方が多く、こういう場面に遭遇する事もあるのだな〜くらいにしか思ってはいませんでした。

まさか先ほどのシーンの男性が、私の担当E氏のデスクの隣に座っているプロデューサーだとは、つゆほどにも思ってはいなかったのです。

ほどなく私の担当E氏に、あのシーンの男性を紹介されました。

「高橋さん。今度番組制作の部署からこちらに移動になったMさん。よろしくね!」

高価そうなスーツを身につけたM氏は、どこから見ても隙の無い新進気鋭のプロデューサーの雰囲気です。

かたや私の担当のE氏は、現場の施行から戻ってきたばかりで、服装もジーンズにポロシャツのラフな格好。

同世代のお二人の雰囲気の違いに「見るからに頭のキレる人は服装からして違うのね・・・」そんな事を漠然と思ったのが第一印象でした。

期しくも私とはお二人とも同世代。

E氏とのお付き合いも始まったばかりのこのころから、その後の10年、お二人の仕事ぶりを観させていただくこととなります。

目の前に現れる、より上の成功よりも潜在意識を信じた選択

年間の内180日ほどN◯K関連会社には打ち合わせやら納品やらで伺ううちに、E氏とM氏の評判やら仕事ぶりを目にしたり、耳にしたりするようになりました。

E氏は実直、コミュニケーションスキルはあるので、大手の堅い上場企業などを担当するには適任でしたが、収支がちょっと甘い所と人を育てるのが不得手な職人気質の方でした。

かたやM氏は、上司の評価も『人心掌握の天才』でアイデアマンであり、N◯K本体の番組プロデューサーにも太いパイプがあり、億単位の仕事を引っ張ってこれる営業部のエース。

80人の営業部の中には色々なタイプがいらっしゃいましたが、アシスタントを除くと、トップの営業部隊30人の中で、M氏は燦然と輝く実績をたったの4年で次々と作っていきました。

大型プロジェクトを手がけてますから、彼のチームは部署内、部外を含めてスタッフがどんどん集まっていきます。

最高で30人くらいのチームになっていったかと思います。

私にも「髙橋さん。いつか一緒に仕事しましょうね!」と会うたびに声をかけていただきましたが・・・

私からは「この案件をやらせてください〜!」とM氏へアプローチするのをためらう自分がいました。

そう・・・初めて出会った時のタレントとM氏とのシーンが頭をよぎって、潜在意識のどこかで「関わらない方が安全」と思っていたのかもしれません。

それよりもその当時は、担当のE氏を始め、M氏以外のプロデューサー4人から常時、企画案件、デザイン案件、を頂いていて、他の仕事をする余裕がなかったのも理由の一つでしたが。

会社の規模を大きくすることを考えれば、年間の受注高が飛躍的に伸びるであろうM氏にアプローチし、彼のチームに入ることこそ、その当時は、成功アクションだったと思います。

勝ち組と負け組。明暗が分かれた

ほどなくして40才を境に、活躍していた営業部のプロデューサー達の移動が始まります。

40才までの間に実績を上げれば(数字的な要素も含め)、3つある営業部の部長に昇進し、もし、実績が不足であれば、舞台セットや番組のセットなどを制作する番組制作の現場への左遷が決まります。

会社全体としては営業部は花形の部署です。

E氏とM氏の明暗が別れました。

M氏は文句なく営業1部の花形部長に昇進し、E氏は安定的な数字をあげていたにも関わらず、最後に手がけた億単位の仕事が赤字となり、お決まりの番組制作の現場の部署へ左遷となりました。

つまり
M氏と彼のチームのアシスタントと外部業者、スタッフは勝ち組
E氏と彼のチーム、私の会社を含めた外部業者は、負け組
となりました。

私もお仕事を頂いていたプロデューサー達の配置替えと共に、営業部から離れ、他の部署とのお付き合いとなっていき、それ以来、M氏とはリアルでお会いする機会もなくなりましたが、関連のどこの部署に行ってもM氏の華やかな活躍は耳にしていました。

倫理観から外れた成功が足元から崩れた時

そして、それから5年がすぎたころ、新聞、TV、雑誌、国会中継で賑わした事件を知ることとなるのです。

N◯K の紅白歌合戦も担当していた番組チーフプロデューサーの、制作費着服の不正事件のニュースが、突然、耳に飛び込んできました!

この事件は、チーフプロデューサー I 氏が番組制作費を着服していたとし、総額は、平成8年から異動になる13年まで6年間で4840万円にのぼり、N◯K は 、I 氏と支払いを受けていたイベント企画会社社長を、詐欺容疑で警視庁に告訴しました。

I 氏は実刑で5年の拘留、刑事事件となり、N◯K会長ら役員3人を減給処分、番組制作局の上司3人が停職・出勤停止などの処分となった事件でした。

報道がされた日に真っ先に思い浮かべたのが、 I 氏の懐刀と言われていたN◯K 関連会社部長で先に書いたM氏のことでした。

M氏は、先のN◯K 紅白の舞台制作の実権を握っていた現場のターミナルで、チーフプロデューサー I 氏とは、常に行動を共にし、一部番組キャスティングにも影響を与えていたのは周知の事実でした。

『なぜ?報道に実名が出ないのかしら?』と不思議に思っていた矢先に、真っ先に電話がかかってきたのが同じ外注としてN◯K 関連会社に関わっていた加工会社の社長、いわば負け組のお仲間です。

『髙橋さん聞いた〜?Mさんも新聞には名前が出なかったけど、懲戒免職だってさ。営業部には本体(N◯K)の査察と税務調査が入ってるって。
外注先へのお金の流れも追跡されてるらしいよ。
Mさんのスタッフも、一人一人しらみつぶしに個人の通帳まで調べられてるらしいしね。
外注先もMさんの案件以外の所も、結構うるさく調べられているらしいよ』

『なんでMさんの名前は(報道に)出なかったの? 』と思わず聞いた所

『その辺はあの人うまいからね。キックバック(賄賂)のお金は、アシスタントの T 君に会社を作らせて、そこに流してたのよ。M氏の受け取りは常に現金。表立ったN◯Kの I さんは言わば生贄(いけにえ)かな。全部の仕組みを作ってたのはMさんで、その辺のことは会社側も解ってるけど証拠がないからね。流石に会社に残せないから懲戒免職よ』

その時に、
私の直感は正しかった。あの時感じたモヤモヤはこの事だったのだ
と・・・全身から汗が吹き出しました。

そしてさらにの加工会社の社長は
『高橋さんの所は大丈夫だろうけど、美味しい思いをしてた◯組なんかはね〜社長は逮捕だしさ。Mさんのチームにいた人は、日々恐怖よ。Mさん外注先の細々した所からもキックバック(賄賂)が当たり前だったみたいだしね。
今、あそこはガタガタしてるから近づかないほうが良いかもね』

お礼を言って電話を切った後、運よくここ5年は、営業部との取引がなくなっていたので、査察にも入られることもなかったこと、事なきを得た幸運に感謝しました。

勝ち組と負け組は最終的にどっち

国会中継にまでなった事件後、それぞれのターミナルのその後は、M氏は懲戒免職後、外注先に使っていた大手イベント制作会社が受け入れ、中国のオリンピック関連で動いていると耳にしましたが、その後は派手な活躍を耳にする事もなくなり、退職。現在はどうしているのかは解りません。

E氏は会社の花形部署からの移動で、根っからの生真面目な性格から当初は精神的にもダメージを受けていたようですが、番組制作の部署に移ってからは予算管理の所をかなり厳しく指導を受け、彼の『誠実さ』から、私の所には2年間ほど年末に、個人名でお歳暮が届くようになり〜(笑)
(E氏の営業部での最後の赤字の案件であおりを受け、私の所も結構な赤字を抱えました)

そして番組制作チーフとして現場の仕事を全うし、昨年、定年退職し、現在は下請けの会社の顧問に就任しました。

彼とはいまだにプライベートなお付き合いが続いています。

M氏のスタッフだった30数名のそれぞれは、会社に残れた人も数年で退職、途中精神的にダメージを受けた人は免職、外部スタッフでM氏の子飼いの女性スタッフは、B型肝炎と更年期障害で治療中。ほとんどが現在では所在が解らない人が多数。

そして一番M氏からの恩恵を受け、派手に売り上げをあげていたイベント制作会社は社長は逮捕、そして会社は倒産したというのを、風の頼りで聞きました。

目の前のことに翻弄されずに『誠実さ』を持ち続ければ長期的に成功できる

私は、お陰様で健康で今でも現役として、同じ業界で仕事をさせて頂いています。

あの当時、E氏と他のプロデューサーからの仕事は年間2000万程度で、M氏と関われば、売り上げは5倍になると、わざわざ私の耳元で囁く方もいらっしゃいました。

ですが、今になって思えば、M氏と関われば、どこかで倫理感の一線を踏み外さなければいけない場面が絶対にあるであろうことを、感じ取っていたのかもしれません。

習慣や常識、そして倫理感は、関わっていく人やグループ、団体で変化して行きます。

たとえ貴方が高い倫理感を持っていたとしても、周囲の常識に流される場面があるかもしれません。

でも、あなたの潜在意識は間違っていること、打算や悪癖、抑圧などには敏感です。

そして・・・

倫理感がアウトした行為は、必ず後からそれ以上の不幸な出来事を引き寄せてしまいます。

目先の失敗やマイナスは関係ありません。

『誠実さ』を持ってさえいれば長期的に見た時、しっかりとした成果を得ることができるでしょう。

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